ちょう

蝶(チョウ)は、昆虫綱・チョウ目(鱗翅目:りんしもく)に属する昆虫の総称です。
世界には約1万8,000〜2万種、日本には約240種が生息しています。
鮮やかな色や模様を持つ大きな羽と、劇的な姿の変化(変態)が大きな特徴です。

生態と身体の特徴

蝶の体は頭部・胸部・腹部の3つに分かれており、6本の脚と2対(4枚)の羽を持っています。

◦鱗粉(りんぷん)と構造色:

羽の表面は「鱗粉」と呼ばれる微細なうろこ状の粉で覆われています。 水滴を弾く役割があるほか、モルフォチョウのように光の反射によって鮮やかな青色を発色する「構造色」を持つ種も存在します。

◦ストロー状の口(口針):

成虫の口は使わないときは丸まっており、伸ばして花蜜や樹液、腐った果実の汁などを吸い上げます。 また、オスは泥場などから水分と一緒に塩分やミネラルを補給(吸水行動)することもあります。

◦優れた感覚器官:

触角で匂いを感知するほか、脚の先端に味覚器官を持っています。 メスは脚で葉を叩くことで、自分の子供が食べられる植物(食草)かどうかを正しく識別します。

成長プロセス(完全変態)

蝶は成長の過程で姿や生活様式を劇的に変える完全変態を行います。

◦卵:

母チョウが幼虫の食べ物となる植物(食草)に産み付けます。

◦幼虫(イモムシ):

卵から孵化した幼虫は、ひたすら葉を食べて急速に大きくなり、数回の脱皮を繰り返します。

◦蛹(サナギ):

成長し切った幼虫は脱皮してサナギになります。一見静止しているように見えますが、内部では体が一度分解され、成虫の体に再構成されています。

◦成虫:

サナギから羽化し、羽を伸ばして乾燥させた後に飛び立ちます。成虫の主な目的は繁殖と分布の拡大です。

蝶と蛾(ガ)の違い

生物学的には蝶も蛾も同じチョウ目に属しており、明確な分類上の違いがあるわけではありません。しかし、一般的には以下のような特徴で区別されます。
項目蝶(チョウ)蛾(ガ)
活動時間主に昼間(昼行性)主に夜間(夜行性)
触角の形先端が膨らんだマッチ棒状櫛(くし)状、羽毛状、または細い糸状
羽の休め方背中で垂直に閉じて立てることが多い体の上に水平に重ねて伏せることが多い
胴体の特徴比較的細く滑らか比較的太く毛深い
※昼間に活動する美しい蛾や、羽を立てて休む蛾など例外も多数存在します。

自然界における役割

蝶は生態系の中で重要な位置を占めています。
花から花へ移動する際に花粉を運ぶ受粉者(ポリネーター)として植物の繁殖を助けるほか、幼虫や成虫は鳥類、爬虫類、肉食昆虫などの重要な食料(食物連鎖の基盤)となります。

また、環境の変化(植物の減少や気候変動)に敏感なため、その地域の自然環境が健全かどうかを推し量る「指標生物」としても活用されています。

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